秘伝!九九学習システム

教材の使い方(九九をご家庭で指導される方用)
-学校授業より前にご家庭で指導される場合

九九学習を始める前に

いつから、どう始めるか

ご家庭で九九指導をお考えの場合、必ず、たし算や引き算の概念を充分に理解した年長児以上の子供にのみさせてください。九九を論理的に理解するためには、たし算・ひき算の概念が必要になるからです。そうでないと九九の丸暗記をすることになります。無理に指導すると九九のが概念が理解できないだけでなく、無理な九九指導のために本来その幼児が幼児として学ぶべきことが、おろそかになる可能性があります。そう考えるといくら早くても年長児からということになります。もし九九指導を始めて無理があると判断した場合は、直ちに止めてその幼児の発達を待って再開するようにしてください。

基本的には小学校1年生の秋以降がお勧めです。ただしたし算やひき算を充分に学習した後でご利用ください。学習進度はのんびりと、1年かけて九九をマスターするくらいの気持ちで進めてください。例えば1日10分~15分ずつくらいを毎日少しずつ進むほうがいいと思います。九九のみを短期に集中してする方法はお勧めできません。脳は、同じ情報が定期的に繰り返し入って来ると、長期記憶すべき大切な情報だと判断しますので、同じ九九を少しずつ長い期間繰り返すようにしてください。

学習の順序

九九学習はの段から始めて5→3→4→6→7→8→9→1→0の順序ですることが多いようですが、「秘伝!九九学習システム」ではの段から始めて2→5→3→4→6→7→8→9→0の順序ですることをお勧めします。その方が発達の遅い子供であっても数字が簡単であるために直感的にかけ算の仕組みが分かりやすいからです。

「隠れ九九エラー」を作らないために

九九暗記の時間を十分に取ってください。間違った九九を長期記憶にしてしまう子供が多くいます。このような子供は九九テストをすると正解を書くことが多いので、発見することが容易ではありません。しかしこれを放置すると、大人になっても九九ミスをする可能性があります。詳しくは「朝日新聞マイベストプロ奈良」内の私のコラムをご覧ください。特に6以上の段に九九ミスが多く見られます。中でも7の段はそれが多く見られますので、充分な時間をとってください。

九九の授業では毎回最初にこれまで勉強した九九の復習をさせてください。この時必ず復習した九九が間違っていないか点検してください。必ず大人が点検してください。

n×0、0×nの九九を省略しないでください。n×0=n、0×n=nというまちがいをする子供が少なからずいます。

九九指導の実際

(1)九九暗記に入る前に「秘伝!九九学習システム」のタイルカードに記載してあるタイル図を示しながら、お子様にタイルの個数を数えさせてください。そして次の説明をしてください。

1皿あたり

1が1皿分で1
1が2皿分で2
1が3皿分で3
1が4皿分で4
1が5皿分で5
1が6皿分で6
1が7皿分で7
1が8皿分で8
1が9皿分で9

さらに下がり九九を続けます。

1が9皿分で9
1が8皿分で8
1が7皿分で7
1が6皿分で6
1が5皿分で5
1が4皿分で4
1が3皿分で3
1が2皿分で2
1が1皿分で1
1が0皿分で0

次にホームページ「教材の使い方」を参考にしながら、次の説明をお読みください。

(2)まず左面のタイル図を見て九九を発声し、次に右面を見て、式を見ながら、九九を発声します。

(3)この作業にお子様が飽きてきたら、次にモノクロのタイル図を10のかたまりごとに色を塗りましょう。

(4)そしてまた左面のタイル図を見て九九を発声し、次に右面を見て、式を見ながら、九九を発声します。このとき目をつむったり、宙をにらんだりして発声してはいけません。間違った短期記憶を作る原因になります。

(5)またこの作業にお子様が飽きてきたら、はさみで切り離してカードにしましょう。この時、机の上に切り離したカードを順番に置くなど、ホームページ「教材の使い方(動画編)」をご覧の上、その通りにしてください。そうでないと、お子様だけではカードの順番が分からなくなり混乱します。こうしてカードををリングに通します。

(6)次に、 タイルカードを見て、その九九を発声します。そして式のカードを見て合っているか確認し、その九九を再び発声します。この作業を繰り返します。

(7)またこの作業に生徒が飽きてきたら、新しくリングを用意して式カードだけをリングに通しましょう。したがってもう一方のリングはタイルカードだけになります。

(8)そして式カードのみで九九の発声をしましょう。

(9)またこの作業にお子様が飽きてきたら、タイルカードのみで九九の発声をしましょう。

 

お勧めする学習の進め方は、1日目は(1)と(2)2日目は(2)と(3)、3日目は(4)、4日目は(4)と(5)、5日目は(6)、6日目は(6)と(7)、7日目は(7)と(8)、 8日目は(8)と(9)、9日目は(9)の作業をしてください。

次の授業では、最初にこれまで勉強した九九の復習をさせてください。この時必ず復習した九九が間違っていないか点検してください。必ず大人が点検してください。

下がり九九(総まとめ)

すべての九九を暗記した後、下がり九九の練習をします。この作業は九九の総まとめと考えてください。

9→8→7→6→5→4→3→2→1→0の段の順番にします。

まず、式カードを下がり九九の順番に並べ直して、リングに通してください。そしてそれを繰りながら下がり九九の発声練習をします。ある程度それに慣れたら、タイルカードを下がり九九の順番に並べ直して、リングに通してください。そしてそれを繰りながら下がり九九の発声練習をします。

下がり九九ではできるだけタイルカードで練習してください。従来の九九暗記は「音韻ループ」というワーキングメモリーを使いますが、タイルカードを使うと「視空間スケッチパッド」というもう一つのワーキングメモリーを使うことになります。すると二つのワーキングメモリーを使うことになり、効果的に長期記憶を作ることができます。詳しくは「朝日新聞マイベストプロ奈良」内の私のコラムをご覧ください。

後はこれの繰り返しです。
8の段をすれば
9→8の復習をします。
7の段をすれば
9→8→7の復習をします。

これを繰り返してすべての下がり九九をマスターしましょう。できれば毎日、少なくとも1週間に1回は下がり九九の総復習をしましょう。長期記憶が定着するまでの期間は個人差がありますので、九九の発声ミスがなくなるまで、根気よく繰り返してください。1から2年かかることもあります。

教材の使い方(九九をご家庭で指導される方用)
-学校授業より後にご家庭で指導される場合

学校授業より前にご家庭で指導される場合と基本は同じです。

ただし大きく違う点があります。それは学校授業より後にご家庭で指導されるということは、学校授業で九九を覚えられなかったということを意味します。この場合は九九の間違った長期記憶を作ってしまっている可能性が高いということです。もしそうだとしたら、その間違った記憶は一生続く可能性があります。

したがってこの場合は、学校授業より前にご家庭で指導される場合と同じことをしながら、間違った長期記憶がないか探す必要があります。この作業には大人が関与してください。お子様が九九暗記をしているときに横に座り、間違った九九を言うごとにそのすべてをメモしてください。間違った九九を言う原因は集中力が欠けた場合などにうっかり間違う場合と、間違った長期記憶が原因の場合と2種類あります。前者の場合は間違いが特定の九九に集中しません。後者の場合は間違いがある特定の九九に集中します。(詳しくは「朝日新聞マイベストプロ奈良」内の私のコラムをご覧ください。)もしある特定の九九に集中して間違いが出るようでしたら、その間違いは長期記憶になってしまっているということです。

長期記憶の間違いは6~9の段に集中します。特に7の段に多く出ます。例えばよくあるのが7×4=24とその逆の4×7=24です。もしこのような間違った長期記憶を発見したら、7×4=28、4×7=28と覚えるだけでなく7×4=24→28(7×4=24ちがう28)、 4×7=24→28(4×7=24ちがう28)と覚えるのがいいと思います。一見遠回りに見えますが、このやり方をお勧めします。なぜなら7×4=28と覚えると7×4=24の間違った長期記憶と7×4=28の正しい長期記憶の並行した二つの長期記憶ができてしまうからです。7×4=24→28と覚えると既に存在する長期記憶に新しい長期記憶を付け足すことになり、並行関係にはなりません。

学校授業より後にご家庭で指導される場合は、面倒だと思いますが、この作業をていねいになさってください。

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