秘伝!九九学習システム

教材の使い方(教育指導者用)

指導計画

幼稚園、保育園、幼児教室などで利用される場合

幼稚園、保育園、幼児教室などで九九指導をお考えの場合、必ず、たし算や引き算の概念を充分に理解した幼児にのみさせてください。九九を論理的に理解するためには、たし算・ひき算の概念が必要になるからです。そうでないと九九の丸暗記をすることになります。無理に指導すると九九の概念が理解できないだけでなく、無理な九九指導のために本来その幼児が幼児として学ぶべきことが、おろそかになる可能性があります。そう考えるといくら早くても年長児からということになります。もし九九指導を始めて無理があると判断した場合は、直ちに止めてその幼児の発達を待って再開するようにしてください。

学習塾で利用される場合

学習塾で利用される場合は、小学校1年生以降になさってください。ただしたし算やひき算を充分に学習した後でご利用ください。学習進度は学校などのスピードよりもゆっくりされるのがお勧めです。例えば他の学習と並行して少しずつ進むほうがいいと思います。九九のみを短期に集中してする方法はお勧めできません。脳は、同じ情報が定期的に繰り返し入って来ると、長期記憶すべき大切な情報だと判断しますので、同じ九九を少しずつ長い期間繰り返すようにしてください。

学校で利用される場合

例えば学校の先生用指導書には、かけ算の意味の指導を最初に持ってきます。私の手元にある本は4~6校時も使っています。これは無駄です。なぜなら「秘伝!九九学 習システム」にはかけ算の仕組みが直感的に分かるタイル図が付いているからです。 そもそも幼児教育を経験すると分かるのですが、人間は具体→抽象という順番で思考します。具体的な体験を多く積んだ子供ほど、抽象思考ができます。かけ算の意味という抽象的要素の入った内容から授業に入るのは間違っています。ある程度発達の早い子供には理解できるかもしれませんが、 発達の遅い子供にはあまり効果がありません。「秘伝!九九学習システム」を使って九九を覚えていると、何となくかけ算の仕組みが分かりますから、一部の九九暗記、あるいはすべての九九暗記をある程度してから、かけ算の意味など、先生方の創意あふれる指導に入られることをお勧めします。

指導の順序

九九指導はの段から始めて5→3→4→6→7→8→9→1→0の順序ですることが多いようですが、「秘伝!九九学習システム」ではの段から始めて2→5→3→4→6→7→8→9→0の順序ですることをお勧めします。その方が発達の遅い子供であっても数字が簡単であるために直感的にかけ算の仕組みが分かりやすいからです。

「隠れ九九エラー」を作らないために

九九暗記の時間を十分に取ってください。間違った九九を長期記憶にしてしまう子供が多くいます。このような子供は九九テストをすると正解を書くことが多いので、発見することが容易ではありません。しかしこれを放置すると、大人になっても九九ミスをする可能性があります。詳しくは「朝日新聞マイベストプロ奈良」内の私のコラムをご覧ください。特に6以上の段に九九ミスが多く見られます。中でも7の段はそれが多く見られますので、充分な時間をとってください。

九九の授業では毎回最初にこれまで勉強した九九の復習をさせてください。この時必ず復習した九九が間違っていないか点検してください。そのためには複数の生徒で互いに点検させてもいいと思います。その時間もない時は指導者が大きなはっきりした声で発声し、生徒に唱和させるだけでもいいと思います。これだけでも間違った長期記憶の発生をある程度防げます。

n×0、0×nの九九を省略しないでください。n×0=n、0×n=nというまちがいをする子供が少なからずいます。

九九指導の実際

(1)九九暗記に入る前に九九のタイル図を示しながら、生徒にタイルの個数を数えさせてください。そして次の説明をしてください。

この時、1皿あたり

1が1皿分で1
1が2皿分で2
1が3皿分で3
1が4皿分で4
1が5皿分で5
1が6皿分で6
1が7皿分で7
1が8皿分で8
1が9皿分で9

さらに下がり九九を続けます。

1が9皿分で9
1が8皿分で8
1が7皿分で7
1が6皿分で6
1が5皿分で5
1が4皿分で4
1が3皿分で3
1が2皿分で2
1が1皿分で1
1が0皿分で0

次にホームページ「教材の使い方」を参考にしながら、次の説明をお読みください。

(2)まず左面のタイル図を見て九九を発声し、次に右面を見て、式を見ながら、九九を発声します。

(3)この作業に生徒が飽きてきたら、次にモノクロのタイル図を10のかたまりごとに色を塗りましょう。

(4)そしてまた左面のタイル図を見て九九を発声し、次に右面を見て、式を見ながら、九九を発声します。このとき目をつむったり、宙をにらんだりして発声してはいけません。間違った短期記憶を作る原因になります。

(5)またこの作業に生徒が飽きてきたら、はさみで切り離してカードにしましょう。この時、机の上に切り離したカードを順番に置くなど、ホームページ「教材の使い方(動画編)」をご覧の上、その通りにしてください。そうでないと、生徒だけではカードの順番が分からなくなり混乱します。こうしてカードををリングに通します。

(6)次に、 タイルカードを見て、その九九を発声します。そして式のカードを見て合っているか確認し、その九九を再び発声します。この作業を繰り返します。

(7)またこの作業に生徒が飽きてきたら、新しくリングを用意して式カードだけをリングに通しましょう。したがってもう一方のリングはタイルカードだけになります。

(8)そして式カードのみで九九の発声をしましょう。

(9)またこの作業に生徒が飽きてきたら、タイルカードのみで九九の発声をしましょう。

 

お勧めする授業の仕方は、他の授業の一部に九九の授業を組み込み、1回目は(1)と(2)2回目は(2)と(3)、3回目は(4)、4回目は(4)と(5)、5回目は(6)、6回目は(6)と(7)、7回目は(7)と(8)、 8回目は(8)と(9)、9回目は(9)の作業をしてください。

下がり九九(総まとめ)

すべての九九を暗記した後、下がり九九の練習をします。この作業は九九の総まとめと考えてください。

9→8→7→6→5→4→3→2→1→0の段の順番にします。

まず、式カードを下がり九九の順番に並べ直して、リングに通してください。そしてそれを繰りながら下がり九九の発声練習をします。ある程度それに慣れたら、タイルカードを下がり九九の順番に並べ直して、リングに通してください。そしてそれを繰りながら下がり九九の発声練習をします。

下がり九九ではできるだけタイルカードで練習してください。従来の九九暗記は「音韻ループ」というワーキングメモリーを使いますが、タイルカードを使うと「視空間スケッチパッド」というもう一つのワーキングメモリーを使うことになります。すると二つのワーキングメモリーを使うことになり、効果的に長期記憶を作ることができます。詳しくは「朝日新聞マイベストプロ奈良」内の私のコラムをご覧ください。

後はこれの繰り返しです。
8の段をすれば
9→8の復習をします。
7の段をすれば
9→8→7の復習をします。

これを繰り返してすべての下がり九九をマスターしましょう。できれば毎日、少なくとも1週間に1回は下がり九九の総復習をしましょう。長期記憶が定着するまでの期間は個人差がありますので、九九の発声ミスがなくなるまで、根気よく繰り返してください。1~2年かかることもあります。

宿題の工夫

なお宿題として家庭で暗記させる場合は、式カードかタイルカードのどちらか片方を家庭に置き、もう片方を塾または学校に置くようにすれば、便利かと思います。

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